作者名:J・D・バーカー ハーパーbooks
シカゴの街を震撼させる連続殺人鬼“四猿”と、事件を追う刑事ポーター。ふたりが昔知り合いだったと匂わす写真が発見され、捜査本部は騒然となる。訳がわからぬまま勾留され追いつめられるポーターをよそに、各地で次々と見つかる「父よ、お許しください」と懴悔の句が添えられた“祈る死体”。それは四猿による最後の裁きの始まりだった―すべての謎が解けるとき、その結末に驚愕する。怒涛の完結編!
サムに執着する、四猿の目的とは?
過去のカギは、日記の中に…サム・ポーター刑事、最後の戦いへ!
最初から止まらない!度:★★★★★
前作「嗤う猿」で、とんでもないところで終わった本シリーズ。
待望の、最終巻です。待ってました!
少女誘拐殺人犯の捜査をする中、問題行為で外されてしまったサム・ポーター刑事は、
四猿殺人鬼に導かれ、彼のルーツを暴き、捕まえようと単独行動。
その結果、四猿に逃げられた挙句、彼とサムの間には、
ただならぬ関係があるのでは?と思わせる証拠が、見つかってしまいます。
救出された少女たちのいる病院では、四猿が仕込んだらしきウイルスのせいで、
仲間の刑事と、病院関係者たちが閉じ込められてしまい、
相棒ナッシュとFBI捜査官プールも、難しい立場に。
サムは四猿事件に関係しているのでは?と疑いが迫る中、
四猿は誰も予想しなかった行動に出て、更なる混乱が!
各地で見つかる異様な死体が、隔離された病院内でも見つかるわ、
市の役人サイドでも、警察署でも、刑務所でも、トラブルが発生するわで、
誰も休む暇がないくらい、ノンストップで進行する事態。
これらは、いずれも四猿の罠で…。
追い詰められたサムは、四猿の過去の真実を暴くため、最後の戦いへ。
序盤から、どの登場人物の語りでも、予期せぬ事態続きで、
最終巻にふさわしい、怒涛の展開を見せ続けます。
四猿の本気度:★★★★
今までも、裏を突く行動で、さんざん警察を翻弄してきた、
天才的犯罪者・四猿殺人鬼ことアンソン・ビショップ。
「悪の猿」「嗤う猿」と、捜査陣も読者も、
その予期せぬ行動に、ひたすら混乱させられてきました。
そして、最終巻となる本作では、どう動くかというと…。
今までの集大成です!と言わんばかりの、トラップトラップトラップ攻撃!
各地で発見される異様な死体、警官に直接電話してくる無茶な行動、
あちこちで発生する監視装置の不具合、
サムについて発覚する、本人に覚えのない事実、
挙句の果てには、アンソン自身が自首してきたうえで、あっけにとられる発言&行動。
その天才的な頭脳と、謎めいた仲間たちを駆使して、
最後の攻勢とばかりに、大胆不敵な策を弄してきます。
と、止まらない…。
半端ないハラハラ展開と、怒涛のスピーディな事件ラッシュで、
前作までと変わらず、読み始めたら止まらない作品になっています。
ついに驚愕のラスト度:★★★★
記憶にあやふやな時期があるために、
狂気の一歩手前へと追い詰められていく、サム・ポーター刑事。
読者も、次第に主人公サムすら信頼できなくなる、
混沌とした悪夢的展開へと、進んでいきます。
ついに、明らかになる真実は…う、うわ~。
最後のシーンがこうなるとは、予想していなかった!
何となく面白そうだな、と1作目を買い、2作目からハマりだし、
思っていたよりも、濃厚な読書体験をすることに。
誰が最も邪悪な猿であったのか…ぜひ、読んで確認してみてください。
過去を暴こうとするほど、サムに身に覚えのない証拠が!
四猿アンソンとサムの物語、その衝撃的な終着点とは…。