作者名:万城目(まきめ) 学 角川文庫
このごろ都にはやるもの、勧誘、貧乏、一目ぼれ。葵祭の帰り道、ふと渡されたビラ一枚。腹を空かせた新入生、文句に誘われノコノコと、出向いた先で見たものは、世にも華麗な女(鼻)でした。このごろ都にはやるもの、協定、合戦、片思い。祗園祭の宵山に、待ち構えるは、いざ「ホルモー」。「ホルモン」ではない、是れ「ホルモー」。戦いのときは訪れて、大路小路にときの声。恋に、戦に、チョンマゲに、若者たちは闊歩して、魑魅魍魎は跋扈する。京都の街に巻き起こる、疾風怒濤の狂乱絵巻。都大路に鳴り響く、伝説誕生のファンファーレ。前代未聞の娯楽大作、碁盤の目をした夢芝居。「鴨川ホルモー」ここにあり!!
大学生たちのコメディかと思ったら、何とも意外な話に!
ファンタジーでも、アクションでもあります。映画も面白い!
謎のサークル度:★★★★★
大雑把に言うと、勧誘された新入生たちが、サークルの正体を知らされてびっくり。
驚きながらも、練習を重ね、4大学対抗戦に臨む!という話です。
この戦いが「ホルモー」。
あるものを使って戦うのですが、珍妙な掛け声やらを覚えなければならず、
なかなか体育会系のサークルです。
京都の有名大学4校に、それぞれホルモーのチームがあるのですが、
これがなかなか伝統的というか…。
主人公が所属するのは、京都大学青龍会。
他校は、京都産業大学玄武組・立命館大学白虎隊・龍谷大学フェニックス。
この4校が、四条烏丸交差点で一堂に会するのは、なんだか熱い…。
あと、後輩への代替わりの儀式が、笑うしかない!
異色の青春度:★★★★
訳の分からないサークルに、主人公が入るのは何故か?
一目惚れしたからです。(ある女性の美しい‟鼻”に)
大学生同士の恋愛と、いさかいと、ちょっと変な友情とがもろもろ絡み合って、
主人公の代のホルモーは、異色の展開に!
京都の町で、謎の若者たちが謎の行動をしているんだから、近隣住民は一体どう思っていたのか(笑)
何とも変わった青春を送ることになる学生たちですが、
こんなサークルがあるなら、私はぜひとも入りたいです!
すれちがい度:★★★
ホルモー戦が、物語の主軸なんですが、
登場人物のすれちがいで起きる、てんやわんやも大事な要素に。
喧嘩してトラブルになるから、50年ぶりに、
「ホルモー特例第17条」が発令されてしまうのです。
例年通りに、ホルモーをやっていれば、体育会系サークルの試合と言えないこともなかったのに…。
ホルモーの内容が明かせないから(知らないで読んだ方が、面白いと思います)、
詳しくは言えないけれど…
そんなに危なくないんじゃ?と思っていたものが、ふいに怖い一面を見せてきて、
クライマックスでは緊迫の状況になります!
映画では、CGで迫力の映像に!
変わった学校生活、謎の部活動。
そういったものが好きな人に、おすすめです。
もちろん、京都好きにも。