【ミステリ】緋色の囁き|全寮制の名門女学園で、生徒が焼死!その後も惨殺事件は続き、混乱した少女たちがとった行動とは…「魔女」の恐怖に怯える学園を舞台にした、鮮血のミステリ!

作者名:綾辻 行人   講談社文庫

「私は魔女なの」謎の言葉を残したまま1人の女生徒が寮の「開かずの間」で焼死した。その夜から次々と起こる級友たちの惨殺事件に名門女学園は恐怖と狂乱に包まれる。創立者の血をひく転校生冴子は心の奥底から湧き起こってくる“囁き”に自分が殺人鬼ではないかと恐怖におののく。「囁き」シリーズ登場!!

閉鎖的な学園にはびこる、不穏な空気。

‟血塗られた学園”に惹かれる人は、ぜひ…。

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息苦しい学園度:★★★★★

主人公・冴子は普通の高校生でしたが、家庭の事情で転校することに。

彼女が通うことになったのは、全寮制の女学園。

お嬢様が通う名門女学園というから、厳しくも華やかなのかな~と思っていたら、

何だこの、監視されている息苦しい学園は!と驚きました。

規律は厳しいし、生徒いびりが生きがいな教師がいるし、

服装や髪形も常にチェックされ、全寮制だから外で息抜きも不可。

か、買い食いや寄り道もできないなんて(泣)

かといって、閉鎖的だけど内部はとにかく豪華で優雅な学園、という雰囲気でもない。

ただただ息苦しい、粛々とした学校生活。

いくら名門でも、これは羨ましくない

ただ、こういっては何だけれど、血みどろの惨劇が起きそうな雰囲気はあります…。

お嬢様たちの、どろどろ度:★★★★

規則がとても細かくて、自由がない。

違反したら、罰として独房に入れられることもある。

こんな学園に入ったら、そりゃあストレスも溜まりますよね。

生徒たちは、みんな良家のお嬢様なのですが、いいお家ゆえか、

さまざまな家庭の事情を抱えていて…。

ある意味、火薬がつまった状態というか。

そこにカリスマ性を持った少女が来て、徐々に暴走が始まり…。

殺人事件によって、さらに暴走する生徒たちに慄然とします。

そんな彼女たちが迎える結末は、読んでいてうわ~っと言いたくなるもの。

生徒の不穏さも怖いんですけど、

殺人鬼の容赦のない犯行も恐ろしい!

全体的に、まさに血塗られた学園!という感じの、かなりおどろおどろしい作品でした。

予想外の犯人度:★★★★

犯人、犯人の正体、犯行の動機。

どれも意外で、楽しめました!

特に意外だったのは、犯人の動機と、犯行のきっかけですかね。

「緋色の囁き」のタイトルに、納得します。

この作品、表紙が妖しくて、不気味に魅力的ですよね。

天野可淡さんという人形作家の作品らしいのですが、怖いけれど美しい人形で、

この作品の雰囲気に非常にマッチしているような。

「暗闇の囁き」「黄昏の囁き」も面白そうなので、読んでいきたいと思います。

綾辻さんの、「館シリーズ」が好きな方。

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