作者名:真保 裕一(しんぽ ゆういち) 角川文庫
腕利きの時計職人ジャンは突如侵攻してきたフランス軍に幼いころ失踪した父のことを話せと脅される。祖父によると父はレオナルド・ダ・ヴィンチが遺した秘密のノートの行方を知るという。仏皇帝ナポレオンは戦争に利用しようとノートを狙っているのだ。謎の修道女に助けられたが彼女にも企みが…。ジャンは知恵と勇気を胸に、隠された数々の仕掛けに挑み、強大な敵に立ち向かう!実在の手稿が題材の手に汗握る歴史冒険小説。
歴史上の人物も登場!
手に汗握る冒険アドベンチャーです。
謎に満ちた冒険度:★★★
主人公の少年ジャンは、発明に関して非常に才能豊か。
村人の生活が便利になるような発明をしたり、祖父が驚くような緻密な設計図を描いたり。
向上心と好奇心に満ちていて、将来が楽しみな子です。
明るく優しくて、村人に好かれていますが、8歳のときに父親がいなくなってしまい、
祖父と村に流れ着いたという過去があります。
実は彼の一族は、レオナルド・ダ・ヴィンチのノートのありかを知るという、秘密があったのです。
このノートには、強力な兵器の設計図が!
突如侵攻して、ジャンと祖父を捕えようとするフランス軍。
巻き込まれる村。
敵か味方か分からない、謎の修道女。(やたら強い)
ノートをめぐって、戦いと謎解きの冒険が始まります。
ジャンの機転に興奮度:★★★★★
人質をとられたり、大勢の軍人に追われたり、幾度となくピンチに見舞われます。
そのたびに、ジャンの素晴らしい機転が!
レオナルドの発明品を用いることもあるのですが、
ジャン自身の発想で危機を脱することも。
いやー、恐ろしい子!
絶対、将来すごい発明をすると確信させるポテンシャルを、見せつけます。
ちなみに、ジャンの機転で、どんどん可哀そうなことになる敵役が…。
後半は何だか、さすがに気の毒になりました(泣)
大人も子どもも楽しめる度:★★★★
レオナルドの天才的な発明品が活躍する、胸躍るアドベンチャーです。
ジャンがどういう手を打つのか、修道女の真の目的は何なのか…。
謎が多いので、大人も楽しめます。
クライマックスは、子どもも大人も力を合わせて発明をするのが、熱いですね。
天才的だけど恐ろしい発明品を、どうするかで悩んだり、
友達のためにどうすればいいのか必死で考えたり…。
子どもたちの成長も、見どころの1つです。
たまには童心に帰って、わくわくするアドベンチャーを読んでみませんか?