作者名:伊坂 幸太郎 新潮文庫
父親が四人いる!? 高校生の由紀夫を守る四銃士は、ギャンブル好きに女好き、博学卓識、スポーツ万能。個性溢れる父× 4に囲まれ、息子が遭遇するは、事件、事件、事件──。知事選挙、不登校の野球部員、盗まれた鞄と心中の遺体。多声的な会話、思想、行動が一つの像を結ぶとき、思いもよらぬ物語が、あなたの眼前に姿を現す。伊坂ワールド第一期を締め括る、面白さ400%の長篇小説。
(4人分の)父の愛が、息子を救う!
こんな家族の形もいいかも…最強父子物語!
設定が面白い度:★★★★★
何といっても、父親が4人というのが面白いですよね。
大学教授、ギャンブラー、元ホストのバー経営者、体育教師という、
個性バラバラな父親に囲まれた生活。
4人一緒に結婚式を挙げた母親が、一番すごいかもしれませんが。
息子の由紀夫も、クールで淡々としており、
我こそは父親とアピールしたがる4人を、さらっとかわす強者。
由紀夫にピンチが訪れた時、4人の特技と父親パワーがマックスに!
クライマックスの父たちの活躍が、もう素敵すぎます。
いつまでも、このメンバーでワイワイやっていてほしい!
クールな息子に、振り向いてほしい度:★★★★★
4人の誰が血のつながった父親なのかは、不明です。(父たち、検査を断固拒否)
不安の表れなのか、由紀夫に似た部分を見つけると、やっぱり俺の息子だと上機嫌に。
つぎつぎと謎の事態がおきますが、合間にはさまれるのが、
由紀夫と4人の父のエピソードです。
これが、きゅんきゅんして、笑えて、ちょっと切ない。
授業参観などの行事に、4人全員きちゃうから、ごまかす由紀夫も必死です。
ややこしくなるから1人だけにすればいいのに、そこは譲れないらしい…。
個人的に、運動会とコンサートのチケットのエピソードは、
読んでいてニヤニヤしてしまいました。
もう、みんな由紀夫が好きでたまらないんだから…!
テンポが気持ちいい度:★★★
個性的すぎる父親、冷静な息子、口が達者な女友達、トラブル体質の友人。
彼らが思わず笑ってしまう会話をしながら生活し、日常で目にしたものから、
つぎつぎトラブルに巻き込まれていきます。
由紀夫も、そういうタイプを呼び込む性質なのか、友人たちも個性的で魅力的。
ときどき、父親目線の深い話も盛り込まれながら、テンポよく物語は進みます。
何気ないことが、あれもこれも実は伏線で、
最後はスピードアップして綺麗に完結!
…と思いきや、最後の最後にあの人が!
テンポよく、スピード感のある家族小説!
笑って、ハラハラして、ほっこりできます。