作者名:バリー・ライガ 創元推理文庫
ジャズが目を覚ますと、あいかわらずトランクルームのユニットに閉じこめられたまま。そばにはふたつの死体が……。これではジャズが殺したと疑われることは必至だ。一方、コニーは、脱獄してニューヨークに潜伏しているビリーの手に落ちてしまう……。ジャズの、コニーの運命は? ハット・ドッグ・キラーの黒幕は? みにくいJとは? 祖父の墓に納められていたビリーの本に書かれている謎の言葉〈カラスの王〉とは? ジャズはシリアルキラーであるビリーの跡継ぎとなってしまうのか? そして驚愕の……。驚異の青春ミステリついに完結。
引き続き、緊迫の事態…ジャズがとった行動とは?
彼を待つ、驚愕の真実!運命が一気に収束する最終巻!
もうノンストップ!度:★★★★★
1作目「さよなら、シリアルキラー」2作目「殺人者たちの王」に続く完結編、来ました!
前作が、すごいところで終わるものだから、3作目は発売日をチェックして購入。
やっと、あの続きが読めるのか…!
もう最初から全開で面白くて、一気に読みました。
そうなるだろうな~、とは思っていましたが。
前作で、絶体絶命の状況に陥ってしまったジャズ。
トランクルームに閉じ込められた彼の前には、ある人物が現れ、序盤から引き続きの急展開!
ハット・ドッグ・キラーはどうなったのか、コニーは逃げられるのか、
ハウイーは大丈夫だったのか、ニューヨーク市警は事態に追いつけるのか…。
前作を読んでからずっと気になっていた部分は、序盤で一気に描かれます。
良くない状況だけれど、一旦少し落ち着いたかな?と思ったら、なんのその、
今まででいちばんとんでもない展開に、すぐに突入!さすが最終巻…。
追い詰められたジャズは、力を振り絞り、怪物の血に打ち勝つために最後の戦いへ赴きます。
ラストの本作は、都会組も地元組も活躍で盛り上がる展開に。
今回は、いままでで一番、ジャズのピンチも活躍も多く、
ビリーも、謎の「みにくいJ」も、行動に移ります。
混乱の序盤、緊迫の中盤、心臓に悪い終盤、と続き、血みどろの戦闘シーンが!
エピローグまで、息つく暇が…ない…。
雰囲気が一変度:★★★
今までは、ジャズの物語、ジャズを取り巻く人々の物語、シリアルキラーとの対決の物語でしたが、
今作は、デント親子の物語!
「ビリー・デント」「みにくいJ」という最悪の敵を相手に、ついにデント家の秘密が明らかに。
ついにクライマックスと言わんばかりの、緊張感が漂います。
コニーの軽快なトークも、ハウイーのおふざけ発言も、今回は控えめ。
ジャズも、今までで最悪の状況に陥って、満身創痍になります。
けれどもジャズの、人心を操るスキルは大活躍。
第2部でのやんちゃっぷりは、思わずニヤニヤしてしまいました。
しかしニヤニヤはそこまで…。
最終決戦に臨むジャズが、とにかく心配でたまらない後半…ビリーとの接触ももちろんありますとも!
本作は、ジャズが最期どうにかなっちゃうんじゃないかと、とにかく心臓に悪かったですね。
好きなシリーズなので、続きが読めて嬉しい反面、終わってしまう寂しさがありましたが、
3部作クオリティーを落とさずに、テンポよく盛り上がって良かったです。
大満足のシリーズ度:★★★★
全体にスピード感があって、登場人物に思わず感情移入してしまう、面白いミステリ小説でした。
考えてみれば、主人公は高校生なんですよね。
よくもまぁ、こんな血みどろのミステリに…確かに青春小説の部分もあるけど(汗)
恐ろしいシリアルキラー、魅力的な恋人と親友、二転三転する事態、緊迫のアクション、
そして何よりも、怪物の血に怯えるジャズの葛藤が、絡まり合っていて、
3巻すべて、のめりこんで読破!
なので、日本オリジナル短編集「運のいい日」も、ゲットして楽しみました。
高校生3人組が好きな人は、短編集もぜひぜひ。
第2作目で、「ここで終わるんかい!」と思った人、
大満足の完結編が出ましたよ~。