作者名:綾辻 行人 講談社文庫
ミステリ作家・綾辻行人に持ち込まれる一筋縄では解けない難事件の数々。崩落した〔どんどん橋〕の向こう側で、殺しはいかにして行われたのか?
表題作「どんどん橋、落ちた」や、明るく平和なはずの“あの一家”に不幸が訪れ、悲劇的な結末に言葉を失う「伊園家の崩壊」など、5つの超難問“犯人当て”作品集。
これは、犯人当て無理です(笑)
自信がある人は、チャレンジしてみてください。
え~、そういうこと⁉度:★★★★★
まず、第1話の「どんどん橋、落ちた」で、分かんないよ!となり。
第2話の「ぼうぼう森、燃えた」に、今度こそと臨んで撃沈。
第3話の「フェラーリは見ていた」に、真相はそれかい!と突っ込み。
第4話の「伊園家の崩壊」で、これ攻めたな~と唖然。
第5話の「意外な犯人」では、不気味な世界に迷い込む。
そんな風になった人が、多いのでは?
とにかく、全部で「え~?」とか「あー!」とか、言う羽目に。
作者VS読者というべきか…。
「どんどん橋、落ちた」から、「フェラーリは見ていた」までで、
何となく、犯人当てのコツがつかめる人はいるかもしれませんが、
「伊園家の崩壊」では、あまりの展開に唖然として、
犯人当てどころじゃなくなる気がする…。
5つとも、真相が当てられたら、あなたは推理の天才かも⁉
固定観念を捨ててください度:★★★★
容疑者について考えるとき、固定観念にとらわれていては、犯人は当てられません。
まぁ、とらわれていなくても、解けない気がしますが(汗)
「どんどん橋、落ちた」で、なるほどそういう考えで行けばいいのか!
と思っても、第2話の犯人を当てられない不思議…。
うーん、大御所作家の底力を感じる。
私は「どんどん橋、落ちた」と「ぼうぼう森、燃えた」は、解決編を読む前に考えてみましたが、
両方ちんぷんかんぷん…
第3話からは、騙される楽しさを味わうことにしました(笑)
刺激的な短編集度:★★★
全体的にユーモアに、満ちています。
作者自身がチャレンジを受けたり、名前が嫌な使われ方をしていたり、面白夫婦が出てきたり。
なかでも、ブラックなユーモア満載なのが、「伊園家の崩壊」です。
‟明るく平和なあの一家”といえば、あのおうちですよね。
こんなの書いて、大丈夫かなって思いました(笑)
1つ1つの短編が、意外性たっぷりで、最初から最後まで楽しめます。
推理には自信がある!という強者は、ぜひ。
第1ラウンドから、本気で頑張ってみてください!