【ホラー・ファンタジー】月の骨|不幸から一転、幸福になったカレン。妊娠したときから、不思議なロンデュアの夢が始まった。私はここを知っている…息子ペプシとともに、5つの月の骨を探す冒険に出たが、夢は現実を侵食し始める!「死者の書」の作者による、傑作ダークファンタジー。

作者名:ジョナサン・キャロル   創元推理文庫

美人で、すてきな夫や親友がいて、もうすぐ赤ちゃんも生まれる。幸せの絶頂にいたあたしは、ある時から奇妙な夢を見るようになった。あたしとまだ生まれていないあたしの息子は、5つの月の骨を捜すためこの世界に帰ってきたのだ―入れ替わる昼と夜、現実と夢、そして階下に住んでいた“まさかり少年”…予測不能かつ衝撃の展開で読む者を翻弄し心酔させる類を見ない傑作!

連続して見る、不思議な世界の夢…

次第に現実でも奇妙な出来事が!

ロンデュアの真実とは独創的な悪夢の世界へ…。

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ダークファンタジー好きにはたまらない!度:★★★★★

主人公カレンは、誰もが認める美人で、真面目に生きてきた女性ですが、

寂しさから、男性と関係を持ち、妊娠してしまいます。

結局その男性とはうまくいかず、子どもは中絶。

しかし、失意のときに、学生時代からの友人で、

現在はイタリアで、プロバスケット選手をしているダニーと進展。

結婚し、ニューヨークに戻り、再び妊娠して女の子を出産…

一気に幸福な主婦になります。

ところが、妊娠してから、奇妙で鮮明で、しかも連続している夢をみるように。

夢の世界の名前は「ロンデュア」。

そこでは、息子ペプシがいて(?)、

巨大な獣たちとともに、5つの「月の骨」を探す旅に出ます。

最初は戸惑いつつも、ロンデュアの夢を見続けるカレンでしたが、

次第に、現実でも奇妙なことが起き始めて…。

序盤は、明るく気が強い女性カレンの語りと、素敵な夫ダニーの魅力が描かれます。

鬱屈を抱えた主人公と、訳あり女性の2人組が、

謎多き作家の出身地で、恐怖に直面する「死者の書」に比べると、明るい雰囲気。

しかし、物語が進むにつれて、不気味な夢の世界が、

幸福な現実に、じわじわと入り込んできて…。

幸福な現実と、不気味な夢が入れ替わり語られ、

徐々に融合していく感じが、ぞわぞわして面白いです。

現実に夢の世界が入り込んでいくという、ダークファンタジー好きには、

何ともたまらない世界観の作品。

ロンデュアの魅力度:★★★★

不気味な夢の世界ではありますが、ロンデュアが魅力的!

ありえない奇抜な世界観、おとぎ話めいた旅路、

ヤスムーダ・熱々拇指・昼寝するブルテリア街・盲目の動物園・紫ジェイク・夜耳、

といった、奇妙な奇妙な言葉たち。

こういう、訳が分からないながら、何となくそそられる言葉が多く、

ちょっと怖い童話とか好きだった人は、ハマりそう!

作品の最初の一文からして、「‟まさかり少年”は、下の階に住んでた。」ですし、

世界観に引き込むパワーが、すごい作家さんだと思います。

ロンデュアでの、謎めいた、怖いけれども幻想的な旅に惹かれますが、

現実パートも、魅力的な登場人物がおり、

どんどん新しい出来事が起きて、退屈しません。

カレンの‟世界”が混じり合った結果、予想外のラストが待っていて…

なかなかの衝撃作!

まだまだ楽しめるキャロルの悪夢度:★★★

「死者の書」の新装版の、美しい表紙に惹かれて購入。

衝撃のラストを楽しみ、今度は「月の骨」を読んでみて、

美しくも恐ろしい世界観が、すっかり好きになりました。

ホラー第2長編「我らが影の声」、

月の骨に続くダークファンタジー「炎の眠り」「空に浮かぶ子供」「犬博物館の外で」

「沈黙のあと」「天使の牙から」、

短編集「黒いカクテル」「パニックの手」、

他にも、「木でできた海」とか「蜂の巣にキス」とか…

とにかく、何それどんな話?と気になる名前の作品がいっぱい!

ハマった人には嬉しい、まだまだある悪夢の世界…

どんどん読んでいきたいと思います。

なんて奇妙な冒険譚!

ダークファンタジー好き、‟夢の世界”というワードにそそられる人…ぜひぜひ。

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