作者名:ハル・クレメント 創元SF文庫
2隻の宇宙船が南太平洋に墜落した。1隻に乗っていたのは捜査官、もう1隻に乗っていたのは犯罪者。両者とも人間ではない。高度な知性をもったゼリー状の生物であり、彼らは宿主なしには生きられない。捜査官は一人の少年の体内に宿り、犯罪者は別の人間にとりついている。だがいったい誰に? 容疑者は地球上の人間全員、20億人。様々な寄生生命SFの原点となった歴史的傑作。
寄生生物と少年が、犯人捜し!
謎あり・冒険あり・友情ありでSF入門におすすめ!
もう設定から、ときめいちゃう度:★★★★★
捜査官も犯罪者も、寄生生物というのが、SF好きにはたまりません!
単体では生きられない寄生生物の、宿主に対する考え方や接し方も、興味深いです。
捜査官(ハンター)と宿主ボブが、だんだん相棒度を強めていくのが楽しみな、
バディ物でもあります。
この2人が大好きになったがゆえに、続編の「一千億の針」も速攻購入しました。
こちらもおすすめです。
2人と島の住民が、余計好きになる!
本作は、「寄生生物」というSFと、「犯人捜し」のミステリが、見事に融合しています。
犯罪者に寄生されている人間をどうあぶりだすのか、
2人の捜査と冒険は、推理とハプニングに満ち、ハラハラピンチに手に汗握ります!
やたらと人が死んだりもしないし、昔のハードSFとかより理解しやすいので、
中高生や、SFは難解で苦手、という人にもおすすめ。
宇宙人好きになっちゃう度:★★★★★
ハンターが、いいやつなんですよね。
真面目か!と、たまに突っ込みたくなりました。
そして、ちょっとドジ。
ボブも賢い少年ではあるけれど、何といっても子ども。
2人とも、気を付けて捜査してほしいものです…。
「重力への挑戦」 という作品も読んでみましたが、ハル・クレメントの書く宇宙人って、可愛いんですよ。
普段真面目で優等生なのに、たまにドジでお茶目。
友達になりたいなぁ。
読むほどに、ハンターとボブは、ずっと一緒にいてほしいと思ってしまいました。
美しい島を冒険度:★★★
メインの舞台は、南国の島。
住民の子どもたちは海で遊び、陸地には豊かな植物が生い茂り。
捜査のために島のあちこちを移動しますが、垣間見える島の暮らしがのどかです。
バカンスで行って、泳いで食べてダラダラしたい(笑)
寄生生物がいるなんて、何ともちぐはぐな印象の、魅力的な島です。
宇宙船や、ほかの惑星が舞台のSF が多い中で、南の島は新鮮かも。
「寄生獣」や、「遊星からの物体X」などが好きな人は、ぜひ読んでみてください!