【SF】微睡みのセフィロト|人類と異能力者の戦乱から17年、つかの間の平穏を乱す事件が…300億個の立方体に‟混断”された要人を救うため、敵対する立場の男と少女が、共同戦線を張る!代表作「マルドゥック・スクランブル」を読んだ人もこれから読む人も、ぜひ!コンパクトながらSFの面白さがつまった傑作!

作者名:冲方 丁(うぶかた とう)  ハヤカワ文庫JA

従来の人類である感覚者と超次元能力を持つ感応者との破滅的な戦乱から17年、両者が確執を残しながらも共存している世界。世界政府準備委員会の要人である経済数学者が、300億個の微細な立方体へと超次元的に“混断”される事件が起こる。先の戦乱で妻子を失った世界連邦保安機構の捜査官パットは、敵対する立場にあるはずの感応者の少女ラファエルとともに捜査を開始するが…著者の原点たる傑作SFハードボイルド。

スタイリッシュで格好いい…!

冲方丁の世界をがっつり楽しめる、SFハードボイルドの傑作です!

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完成度が高い度:★★★★

200ページちょっとという、短めの作品ながら、

無駄がなくコンパクトで、何というかスマートな、完成度の高い作品です。

設定は細かいですが、読んでいるうちに頭に入ってくるし、

長い冲方作品を読む前の、入門編的な感じで読むといいかもしれません。

私は、これを読んで面白かったので、

早速、SFの傑作として有名な「マルドゥック・スクランブル」に手を出しました。

マルドゥックシリーズファンから本作、というパターンも、もちろんおすすめ。

「ばいばい、アース」とか「黒い季節」よりも、雰囲気が似ている感じです。

本作の後、「黒い季節」など読んでみたのですが、

設定をとにかく破綻なく組み込んでいて、すごい人だとびっくり。

この作品も、この長さにしては、本当に世界観の設定が細かいんですよ。

でも、無理がない。

登場人物も魅力的だし、スピーディーな展開で楽しめました!

超能力バトルがかっこいい!度:★★★★★

従来の人間「感覚者(サード)」と、超能力を獲得した「感応者(フォース)」。

「女王」を中心に、悲惨な戦乱が起き、17年たった今でも、両者には確執があります。

主人公の保安機構捜査官・パットは、肉体を強化・改造したタフな男性。

ある機関からの派遣員で、

強大で様々な能力を使える謎の少女・ラファエルと組んで、捜査をします。

2人が関わるのは、ある計画を破綻させてしまうかもしれない、大事件。

それは、計画に重要な要人が、300億個の微細な立方体に分解された状態で発見されるという、

何それ⁉という事件なのです。

それは「混断(シュレッディング)」という能力で、

被害者は空間ごと切り刻まれており、彼を助けるためには、

何としても犯人が奪っていったものを取り返さなければなりません。

恐ろしいですけど、おお~SF!とテンションが上がりました。

被害者が関わっていたプロジェクトと、犯人からの謎のメッセージ。

それぞれが恐ろしく強い能力を使う、4人の犯人。

「空間操作」で痕跡を消す黒幕…う~ん、盛り上がります。

異常な事件を捜査する2人に、犯人からの超能力攻撃が始まるのですが、

SF満載の戦闘シーンがとにかくカッコイイ!

能力を使うと、各個人の「残留芳香」が残るとか、そういう細かい設定がしびれます。

感応者が原因で妻子を失くした、タフな戦闘マシーン・パットは、

複雑な感情をラファエルに抱きつつも、プロの仕事をする姿がしぶい。

ラファエルは、ものすごい能力を持っていますが、謙虚で優しい女の子。

そしてラファエルの相棒・シェパード犬のヘミングウェイも大活躍。好き!

メインキャラが魅力的で、敵キャラの個性もいい、のめり込める作品でした。

冷静かつ緻密度:★★★

アクション満載な、ハイスピードSF小説ですが、

登場人物の心理も、緊迫の戦闘シーンも、一貫して冷静な視線で描かれています。

だから何だか、スタイリッシュな感じがするんですかね。

スタイリッシュでかっこいいといえば、

ウィリアム・ギブスンの名作「ニューロマンサー」が思いつきますが、

あちらは長いし、なかなか難解。

日本人の文章というのもあって、冲方作品の方が場面をイメージしやすいです。

表紙イラストも、イメージぴったり!

SFは難しそうだけど、手を出してみたいという人にもおすすめ。

魅力的な登場人物、緻密なプロット、複雑な能力を生かした戦闘、驚きの真実が絡み合って、

満足度が高い作品でした!

これぞSF!というアクションを楽しめます。

超能力ものが好きな人は、ぜひ!

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