【SF】マーダーボット・ダイアリー(上・下)|ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞を受賞!さらに2年連続受賞の大人気作品!自らをハッキングして自由になった、戦闘ロボットの旅路やいかに⁉ダイヤリー調の語り口がユーモラスで面白い、個性的なロボットの、アクションとトラブルが満載の本格宇宙SF小説。

作者名:マーサ・ウェルズ   創元SF文庫

かつて重大事件を起こしたがその記憶を消されている人型警備ユニットの“弊機”は、密かに自らをハッキングして自由になったが、連続ドラマの視聴を趣味としつつ、保険会社の所有物として任務を続けている。ある惑星調査隊の警備任務に派遣された“弊機”は、プログラムと契約に従い、様々な危険から依頼主を守ろうとするが。ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞トリプルクラウン&2年連続ヒューゴー賞・ローカス賞受賞の傑作!

プリザベーション補助隊の事件をきっかけに脱走ボットとなった“弊機”は、過去の大量殺人事件の真相を求めて旅する。出会う人々に苛立ちながらも、しだいに芽生えてくる様々な感情に戸惑う“弊機”。そんな中で、先史時代の異星文明の遺物を密かに発掘・独占しようとしている悪徳企業の策動が浮かび上がる。“弊機”はメンサー博士のため、惑星ミルーのテラフォーミング施設に潜入を試みるが、そこにはまたしても未知の危険が!

娯楽ドラマ好きの、人型警備ユニット。

旅路は、ドラマみたいにはいかないようで…?

ユーモアも戦闘もありの、おすすめSFアクションです!

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語りが独特度:★★★★

上下巻に、2話ずつ収録されていて、すべて主人公の戦闘ロボット:‟弊機”の一人称です。

過去に暴走して大量虐殺をしてしまい(弊機のせいではないのですが)、

自分で自分をハッキングして、会社から自由になっていることを秘密にしています。

1話目の「システムの危殆」は、こっそりハッキングして自由になった弊機が、

それを隠しつつ、人間のために働く話。

仕事中も、隙あらばこっそり趣味を堪能するくせに、

自分の義務には誠実な弊機が、さっそく好きになるエピソードです。

2話目「人工的なあり方」では、脱走後、戦闘ロボットとバレないように、

どう生きるか模索しながら、警備コンサルタントとして、人間の護衛を請け負う話。

弊機の心変わりの原因となった、過去の事件の謎が明らかに!

高知能な調査船の提案に対し、感情丸出しで拒否する弊機が面白かったです(笑)

3話目「暴走プロトコル」では、ある企業の悪事の証拠をつかむために行動するのですが、

そこで出会った、純粋で子どものような人間型ロボットに翻弄させられることに。

ちょっとイラっとするけど、この子も可愛い…。

4話目の「出口戦略の無謀」では、1話目のメンバーと再会し、

緊迫の救出劇の末、クライマックスに迫力のアクション!

こういったアクション満載のSF小説が、日記風の独白で書かれているのが、この作品の特徴です。

後で読む人のために、細かく綴ってあります、という感じ。

しかも、戦闘用ロボット=人型警備ユニットの視点。

これが何だか新鮮で、弊機の性格も相まって面白い!

過去に嫌になってしまうことがあって、自身をハッキングしたロボット。

自由行動がとれるようになって何をしているかというと、

変わらず仕事をしながら、バレないように連続ドラマを見ている…。

に、人間臭い(笑)

でも、人間になりたいんだとか思われると全力で否定するし、

人間と触れ合うユニットには軽蔑をあらわにする。

複雑な子ですが、読んでるうちに、この性格が癖になります

弊機の一人称が面白い度:★★★★★

何かというと、空いた時間にドラマを見たがる。

ドラマは好きだけど、人間とベタベタするのも、人間らしくなるのも嫌。

高度な船のAIに干渉されると、相手にART(不愉快千万な調査船)なんてあだ名をつける。

人間に甘やかされているロボットを、馬鹿にしつつも嫉妬する。

人間を守ろうとするし、優しい一面を見せることもあるけれど、よく拗ねる。

などなど、ちょっと思春期みたいで可愛い(笑)

しかし、警備ユニットとしては、高機能でとても優秀です。

対人関係や、自分のやりたいことに悩む一面と、

修羅場をくぐってきた、優秀な戦闘ロボットの一面が、入れ替わり表れて、

弊機のダイアリーに、すっかりハマってしまいました。

戦闘ロボットの日記風の文章、

癖があるけれども何だか好きになっちゃう弊機の性格、

ハラハラする頭脳戦かつアクション満載の戦闘シーン、

そして、さまざまな問題を抱えながらも、ワクワクする銀河宇宙の世界観。

こういった魅力がつまった作品で、多くの賞を受賞したのも納得です。

SFアクションとして面白い度:★★★★

4話すべてで、のっぴきならない事態に陥り、緊迫の戦闘シーンが!

敵のユニットの数や種類、真の目的、黒幕の企みなど、

弊機が推理しながら、銃撃戦をこなし、ときにハッキングをし…。

冷静に頭脳をフル回転させながら、銃撃戦をこなすのは、さすが戦闘ロボット!

SFアクションとして、すごく楽しめました。

他のユニットと意思疎通をしながら戦ったりと、人間には出来ない戦い方が、スリリングです。

格好いい!

シリーズ作品らしいので、早く続編来ないかなぁ。

とにかく弊機の語りが、癖になる!

ああ、彼(彼女?)の今後が気になります!

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