【SF】ハローサマー、グッドバイ|SF恋愛小説といえば、これ!危機に瀕する惑星で繰り広げられる、少年少女の命がけの恋!幼かった美しい夏が終わるとき、2人を待つ結末とは…?

作者名:マイクル・コーニイ   河出文庫

政府高官である父の仕事の都合で、田舎の港町パラークシに滞在することになった少年ドローヴ。彼は地元の少女、ブラウンアイズとの恋を育てていくが、激化する隣国アスタとの戦争が二人の関係に暗い影を落とす。戦況が悪化していく中で、政府の統制は強まり、議会と町の人々の間にも不穏な空気が流れ始める。大人たちは何かを隠している。ドローヴは政府が隠す驚くべき秘密を知ることになるのだが……。

恋愛小説に、他の要素もほしい人は、ぜひ。

異星SFであり、戦争と秘密があり、子どもの純粋な恋がある!

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嫌なやつがいるからこそ、引き立つ度:★★★

少年ドローヴと少女ブラウンアイズを取り巻く人々は、差別的意識を持つ人間が多いです。

政府の関係者たちは、港町パラークシの住人を見下しているようですね。

ブラウンアイズの両親など、いい人たちもいるんですけど…

2人の恋が前途多難なのは、最初から明らか。

なかでも、ウルフという少年には、本気でイラっときました。

まぁ、物語が進むにつれて、それどころじゃなくなるからいいんですけどね。

嫌なやつがいて、大変な状況に置かれるからこそ、2人の恋がより輝いて見えるのかもしれないし。

この作品には、主人公が違う続編「パラークシの記憶」があるのですけど、いらいらさせるキャラは健在です。

続編では、耐性ができたのか、今回もひどいのがいるな~くらいの感覚で読めましたが(笑)

恋の行方と、謎の答えが知りたくて読んじゃうんですよね!

SFミステリとしても、面白いので。

ブラウンアイズ応援したい度:★★★★★

ドローヴは少し斜に構えたところがあるけれど(性格が悪いわけじゃないです)、

ブラウンアイズは控えめで賢明な少女。

友達の少女リボンに嫉妬してしまう、いじらしい面も見られて可愛らしいなぁ…

…と思いきや後半、やるときはやります!

ピンチの時のガッツがすごいブラウンアイズが、登場人物のなかで一番、魅力的に見えました。

表紙のイラストもイメージ通りで、素敵!

ブラウンアイズは可愛らしいし、美しい夏の思い出といった背景が、

読んだ後に、じ~んときます。

この作品は、少年少女の清らかな恋にキュンキュンしますが、

大人の男女のドロドロ恋愛+SFも読んでみたいという人は、「物体E」もおすすめ。

異星生物、かわいい度:★★★★

作品の舞台である惑星は、太陽フューを崇め、氷の星ラックスを恐れます。

この星の人々の遺伝子には、寒さに対する恐怖がきざまれているのです。

‟冷血野郎”とか、‟凍ってしまえ”とかいうのは、最大の罵り。

基本的に、住人は地球人と変わらないですけど、この辺は異なる惑星という感じですね。

そしてさらに異なるのは、生物。

人間を襲う氷魔(アイスデビル)や、家畜のロックス、精神観応ができるロリン。

このロリンが可愛いんですよ!毛むくじゃらで人懐っこく、不思議な力を持っています。

この力で、何気に大活躍。

セラピー効果ありそうだし、本当に飼いたい…!癒されたい…!

青春にドキドキ、戦争にヒヤヒヤ、謎ときにハラハラ。

読後、タイトルが感慨深いです!

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