【アクション】B・D・T[掟の街]|無法地帯と化した東京で、行方不明の歌手を探すのは、スラム出身の探偵!舞台は本当に日本なのか…アクションと陰謀満載で、息つく間もないハードボイルドの傑作!

作者名:大沢 在昌   角川文庫

不法滞在外国人問題が深刻化する近未来東京。爆発的に急増した身寄りのない混血児たちは「ホープレス・チャイルド」と呼ばれ、その多くが犯罪者となっていた。彼らが巣食う東新宿はスラムと化し、いつしか、街は「B・D・T」と呼ばれた。無法地帯となった最も危険な街で、私立探偵ヨヨギ・ケンが依頼された仕事は、失踪したホープレス出身の女性歌手の捜索だった――。女の足跡を追うケンを次々と襲うトラブル、そしてケンの目の前に、その巨大な組織が正体を現す! 圧倒的なスピード感で描く、傑作冒険アクション。

近未来東京に生きる、アウトローたちの戦い!

複雑に絡み合った陰謀を、スピーディーにアクション満載に描く傑作!

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仮想未来のリアリティ度:★★★★

近未来の東京、西側と東側で、著しく異なる治安。

不法滞在の外国人と、ホープレスチャイルドと呼ばれる混血児。

スラム化した東京で、這い上がろうとする混血児と、根深い差別意識。

そんな荒廃したエリアで、Aランクの調査員として活躍するのが、

ホープレスチャイルド出身の探偵ヨヨギ・ケン。

日本を舞台にした小説なのですが、スラム地区の荒廃した世界観と、

ホープレス・チャイルドという存在によって、

現代の探偵小説とは異なる雰囲気になっています。

しかし、細かく考えられた設定と、臨場感たっぷりのシーンによって、

リアルティが生まれていて、作品の世界観に引きずり込まれました!

目まぐるしいアクション度:★★★★★

治安の悪いエリアに関わるのは、ならず者に、謎の暗殺者、

差別意識が強い警察や権力者。

捜査が進むごとに、彼らとトラブルになって、とにかくアクション!

銃撃戦が多く、激しいハードボイルドが読みたい!という人は満足できるかと。

主人公のケンも、過酷な環境で生まれ育ったやり手の男ですが、優しさをみせることもあり、

魅力的な人物です。

危険を伴った聞き込み捜査と戦闘、謎解きが、休む間もなくつづき、

気が付いたらクライマックス!

クライマックスのアクションは、フィナーレと言わんばかりに派手でスカッとしました~。

ミステリとしても良作度:★★★

スラム化した東京に生きる人々と、快く思わない日本人たちの差別を描き、

スリリングに進むアクション小説ですが、

失踪した歌手をめぐる謎解きも、思いもよらぬ巨大組織が関わっていたりと、

探偵ミステリとしても、凝っていて楽しめます。

東京が劇的に変化したことにより、在り方を変えざるを得なかった組織もあるのですが、

とにかくそういった根深い問題が多いんですね。

さまざまな人の思惑が絡んでいて、予想外の事態へ動いていきます。

続編の「影絵の騎士」も、スケールアップしていて、非常に面白いです。

危険な地域、危険な仕事、危険な相手。

ハードボイルド好きには、たまらない作品だと思います。

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