作者名:マイクル・コーニイ 河出文庫
冬の再訪も近い不穏な時代、村長の甥ハーディは、伝説の女性ブラウンアイズと同じ瞳の色の少女チャームと出会う。記憶遺伝子を持つこの星の人間は、罪の記憶が遺伝することを恐れ、犯罪はまず起きない。だが少年と少女は、背中を刺された男の死体を発見する…名作『ハローサマー、グッドバイ』の待望の続編。真相が今語られる
ついに、惑星の謎が明らかに。
前作より、SFミステリはパワーアップ!もちろん恋愛もばっちり!
斬新な設定度:★★★★★
前作「ハローサマー・グッドバイ」から、何世代もたった時代の物語です。
今作では、多くの新しい設定が増えています。
いちばん変わっているのは、
住民が‟記憶遺伝子”を持ち、先祖の知識と記憶を受け継いで生まれてくること。
この先祖の記憶をもって生まれる、というのが非常に大事なことで、
まれに生まれる記憶を持たない人々は、他者から馬鹿にされてしまう羽目に。
また、内陸と海辺で、男と女で別れて暮らしています。
主人公は、内陸の男の集落で暮らし、
ヒロインは、海辺の女の集落で暮らす、といった具合に。
(住民同士の差別意識は変わらず。相変わらず人間トラブルが多そう…。)
あと、地球人が登場!
地球人、他の惑星に調査に行ってるみたいです。
前作と変わらないのは、来る大凍結への恐怖ですね。
危機を脱した、ドローヴとブラウンアイズは、伝説になっています。
ただ、この2人がどう大凍結を切り抜けたかは、伝わっていないみたい。
今作も、どう生き残ろうか、人々はパニックに!
変わらぬ問題児度:★★★
「ハローサマー」では、なかなか嫌な人間が出てきましたが、
今回も、強烈なのが!
困ったちゃんとしか言いようのないのが、ちらほらいます…。
イライラしましたけど、途中から、こいつはこういうやつなんだ…と諦め(?)ながら読んでいました(笑)
ヒロインは、変わらず賢明で可愛いんですけどねぇ。
ブラウンアイズより、元気で気が強い子。
主人公は、ドローヴに近いかな?ガッツも見せますよ。
今回の表紙イラストも、素敵です。
やはり、イメージぴったり!
ヒロインが可憐で芯が強いのは相変わらずですが、
今作は、そのほかにも魅力的な女性たちが登場します。
SFミステリとして面白い度:★★★★
自分の記憶が子どもに引き継がれるから、基本的に殺人なんて起きないはずなんです。
しかし、まさかの殺人事件が!
主人公はある事情から苦境に立たされ、ヒロインや母が支えます。
迫る大凍結を、どう切り抜けるのかも問題だし、
地球人ともトラブルが。
そして、ついに明かされるロリンの謎と、謎の種族キキホワホワとは?
うーん、謎が多いですね。
とにかく、最初から最後まで波乱尽くしで、ハラハラします!
殺人事件の真相に驚き、惑星の真実にさらに驚きます!
そして、またもやロリンにびっくり!
ぜひ、「ハローサマー、グッドバイ」と合わせて読んでみてください。