作者名:澤村 伊智(いち) 角川ホラー文庫
“あれ”が来たら、絶対に答えたり、入れたりしてはいかん―。幸せな新婚生活を送る田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。それ以降、秀樹の周囲で起こる部下の原因不明の怪我や不気味な電話などの怪異。一連の事象は亡き祖父が恐れた“ぼぎわん”という化け物の仕業なのか。愛する家族を守るため、秀樹は比嘉真琴という女性霊能者を頼るが…!?全選考委員が大絶賛!第22回日本ホラー小説大賞“大賞”受賞作。
ぞ~っとしたい人におすすめ。
語り手が変わるたびに、物語の印象が、がらりと変わります!
きました!正統派ホラー度:★★★★★
訪れる恐ろしきもの、異常な事態、最強の霊能力者!
日本の化け物特有の‟ねっとり感” あります。
なんで日本の幽霊やら化け物やらは、あんなに怖いんですかね…。
じっとりねっとりした、肌が泡立つ恐怖こそが、ジャパニーズ・ホラーの真骨頂だと思うんです!
この作品は、その点ばっちり。
そもそも‟ぼぎわん”という名前が、恐ろしいですよね。
得体のしれない感がよく出ていますし、実際手強いんですよ~。
一人だけでなく、大人数でいても、こいつは訪れてくるんです!
しつこいし、化け物のくせに(?)こんな真似を!というシーンもあります。
油断できないその恐ろしさが、読み進めるほどに明らかになり…
怖いけれども、止まらない。
印象がらり度:★★★★
第3部まであるのですが、1部ごとに語り手が変わります。
3人の視点の違いも、この小説の魅力かと。
第1部のラストから第2部では、‟ええっ!?” と思わず言ってしまいました。
そしてそのあとで、思わずニヤリと。
なるほど、そういうことか…。
人間関係について考えてしまいますね。
「何が邪悪を呼び寄せるのか」…これも作品の1つのテーマだと思いました。
ぼぎわんとは何なのか、なぜ主人公の祖父のもとに来たのか、
奴の目的は何なのか、打つ手はあるのか。
徐々に真相が明らかになっていき、ラストは緊迫の対決が!
かっこいいです!女霊能力者度:★★★★★
ホラーって、基本的に主人公は、怪奇現象の被害者じゃないですか。
シリーズ化して同じ人が出るのは、珍しい印象があります。
ぼぎわんは、現在4作目まで出ています。
シリーズとおして活躍するのが、霊能力姉妹・比嘉琴子と真琴。
この2人の活躍と、次の化け物を求めて、最新刊まで買ってしまいました!
結論言っちゃうと、全作面白かった。
作品のクオリティーが高いのも、もちろんありますが、
比嘉姉妹が好きになったから、揃えてしまう人も結構いるのでは?
姉はかっこいいし、妹は可愛い。
これからも楽しみです!
映画化されるだけの、理由があります。
ホラー映画・小説好きはもちろん、ホラー初めての人にもおすすめです!