作者名:米澤 穂信 創元推理文庫
小鳩君と小佐内さんは、恋愛関係にも依存関係にもないが互恵関係にある高校1年生。きょうも2人は手に手を取って清く慎ましい小市民を目指す。それなのに、2人の前には頻繁に謎が現れる。名探偵面などして目立ちたくないのに、なぜか謎を解く必要に駆られてしまう小鳩君は、果たしてあの小市民の星をつかみとることができるのか? 新鋭が放つライトな探偵物語。
今年、11年ぶりの新刊が出ました!
小鳩くんと小佐内さんの物語は、ここからスタート!
2人は、ただ者ではない度:★★★★
小鳩くんと小佐内さんは、見た目は普通の高校生カップル。
(小佐内さんは、下手をすると小学生に見えるけど)
しかし、中学時代の経験から、2人とも本性を隠して、平和で無害な小市民たらんと努力します。
小鳩くんは、つい探偵面で推理をしてしまう、例えるならば狐。
対して、小佐内さんはというと…?
お互いを逃げるための言い訳、本性を出さないための抑止力とする、2人の奇妙な関係。
これで2人は、うまくいくのか?
憧れの小市民ライフはおくれるのか?
しかし、2人の前にはスイーツ絡みの謎がそびえ立ちます。
この2人のただ者でなさは、シリーズを重ねるごとにパワーアップ!
小佐内さんのスイーツラブ度:★★★★★
この作品シリーズで特徴的なのは、とどまることを知らない、
小佐内さんのスイーツ愛です。
この本にも、美味しそうなケーキがたくさん!
スイーツのために、小鳩くんを引き回すことに、躊躇しません(笑)
またスイーツが絡むと、シリーズ通して行動力がすごくて…。
しかしケーキは甘くても、2人の性格と、立ちはだかる謎は甘くない!
面白いシリーズなんですけど、
読むたびにスイーツ食べたくなるのが困りもの…。
ライトな米澤ミステリ度:★★★
米澤さんは「さよなら妖精」で注目され、
「折れた竜骨」や「満願」、「王とサーカス」など大作・有名作ぞろい。
大人のミステリ代表作家さんですが、「古典部」「小市民」シリーズは、ライトなミステリ。
ライトといっても、いかにも米澤さんといった精緻なミステリで、
ドキッとするビターな展開もあります。
登場人物が可愛くたって、青春ミステリだって、油断できない!
‟理詰めの推理”という印象がある作家さんなので、とっつきにくいかも…
という人は、古典部か小市民の1作目から読んでみてはいかがでしょうか。
ちなみに、古典部1作目の「氷菓」はアニメ化されました。
省エネ探偵くんと、好奇心のかたまりお嬢様が出てきます。
どっちの2人組が好みか、読み比べもおすすめ!
最後は、思わずニヤリ…。
「いちごタルト」にはまったら、ぜひ「栗きんとん」まで読んでください!