作者名:アンソニー・ホロヴィッツ 創元推理文庫
ミステリ界のトップランナーが贈る、すべてのミステリファンへの最高のプレゼント!
1955年7月、パイ屋敷の家政婦の葬儀がしめやかにおこなわれた。鍵のかかった屋敷の階段の下で倒れていた彼女は、掃除機のコードに足を引っかけたのか、あるいは……。その死は小さな村の人々へ徐々に波紋を広げていく。消えた毒薬、謎の訪問者、そして第二の死。病を抱えた名探偵アティカス・ピュントの推理は――。現代ミステリのトップ・ランナーによる、巨匠アガサ・クリスティへの愛に満ちた完璧なるオマージュ作品!
名探偵アティカス・ピュント・シリーズ最新刊『カササギ殺人事件』の原稿を読み進めた編集者のわたしは激怒する。こんなに腹立たしいことってある? 著者は何を考えているの? 著者に連絡がとれずに憤りを募らせるわたしを待っていたのは、予想だにしない事態だった――。クラシカルな犯人当てミステリと英国の出版業界ミステリが交錯し、とてつもない仕掛けが炸裂する! 夢中になって読むこと間違いなし、これぞミステリの面白さの原点!
本屋大賞や、文春ミステリーベスト10など、
年末ミステリランキングを全制覇!
読んで損はないです!
仕掛けにやられた!度:★★★★★
上巻は、1955年を舞台に、名探偵アティカス・ピュントが、屋敷で死んだ家政婦の事件に挑む推理小説。
下巻は、アティカス・ピュントシリーズの担当編集者の話。
1巻まるごと、「小説の中で書かれている小説」であるという斬新さ!
この小説のタイトルが、「カササギ殺人事件」です。
驚きの設定ですよね。
この名探偵のシリーズは、「カササギ」が9巻目なんですけど、
主人公の女性編集者が原稿チェックしていたら、結末がない!
作者は殺されるし、一体どーいうこと?と事件を調べます。
まぁ、編集としての立場もあるけれど、
あんなところで作品が終わったら、何が何でも続きを探しますよね。
面白いのに犯人が分からないままなんて、そんな殺生な!
あ、これだけは言っておきますけど、
われわれ読者はちゃんと、「カササギ」の解決編を読めます。
「カササギ」も面白いし、現実の事件も気になって、止まらなくなりました。
古典へのオマージュ度:★★★★★
下巻で、「カササギ」の結末は読めるんですけど、
これだけでも面白い!
DNA鑑定などがなかった時代の、正統派ミステリで、探偵も紳士で魅力的だし、
英国古典ミステリの、古き良き感じが何とも素敵。
昔の名作を読んでいるみたいで、楽しめました。
でも、これだけじゃないのが贅沢。
現代パートとの対比と絡みが、とっても凝ってます!
古典と現代の融合度:★★★★
「カササギ」パートは、古典ミステリで面白いわけですが、
現代パートも、負けていません。
作者が、謎の転落死!
続きが気になってしょうがない(出版できないし)女性編集者は、何としても結末が知りたいのですが、
ミステリ好きでも、実際に活躍できるわけではなく、捜査は難航。
しかし執念で真相に迫り、意外な犯人が明らかに。
というか、それ以上に、アティカス・ピュントシリーズの秘密が…驚いた~。
「んなあほな!」と、思わず言ってしまいました(汗)
古典ミステリ好きも、現代ミステリ好きも、楽しめます!
一気読みしたくなる、傑作!