作者名:バリー・ライガ 創元推理文庫
21世紀最悪の連続殺人犯の息子、ジャズことジャズパー。父が捕まったのち、普通の高校生活を送っていたジャズと、ガールフレンド、コニー、ジャズの親友ハウィーそれぞれを主人公にした短編に、田舎町ロボズノッドで発生した若い女性の惨殺事件を解決すべく奔走する保安官G・ウィリアムの物語「運のいい日」の四編を収録。センセーションを巻き起こした〈さよなら、シリアルキラー〉三部作の前日譚の、日本オリジナル短編集。
シリーズファンに、嬉しい短編集!
ジャズの、コニーの、ハウイーの日常とは?
それが読みたかった度:★★★★
4つの短編は、それぞれ違う人物の視点で描かれています。
キャリア・デー(子どもたちに、働いている大人が実際どんな感じなのか、演説をするイベント)と、
将来どんな大人になりたいかというアンケート、
知り合ったばかりの転入生コニーとの今後に悩むジャズの話「将来なりたいもの」。
ハロウィンの夜のパーティーで、奮闘するハウイーの話「ハロウィン・パーティー」。
ジャズとの付き合いに悩むコニーの話「仮面」。
そして、G・ウィリアム・タナ―が遭遇する連続殺人事件の捜査の日々を描く「運のいい日」。
事件後のジャズの想い、2人と離れた時のハウイーの行動、
ジャズの過去について知ったコニーの心境、ビリー逮捕時のG・ウィリアムの状況。
知りたかったエピソードが目白押しでした!
4人の特色でてる度:★★★★★
ジャズ視点の短編は、日常の一コマですが、本編と同じく父ビリーの影響に苦しんでいます。
些細なことにも、父親の影響があると分かりぞっとしましたが、
ハウイーとの掛け合いが笑えます。
あと、さりげないけれども、大事な設定に触れていました。
ハウイーの話は、ハウイー全開でしたね(笑)
ちょっとしたケガで死んでしまうかもしれない体なのに、あの明るさで生きているのは、もう尊敬するしかない!
コニーの話は、彼女の葛藤と強さがにじみ出ています。
ジャズについて知るために、彼女が思いついた方法とは?
G・ウィリアムの話はヘビーで、彼の辛い時期が語られるのですが…ついに、‟G”が何なのか判明!
永遠に明かさないのかと思ってた(笑)
それぞれ、特徴的で面白かったです。
シリーズの世界観により浸れる度:★★★
本編も内容みっちりでしたが、今回の短編集で、
よりプライベートな部分が分かり、さらに登場人物に愛着がわきました。
欲を言えば、ヒューズとモラレスとエリクソンとサマンサと…ビリー視点とかも読んでみたいけど…。
さすがに出ませんかね~(汗)
とにかく、G・ウィリアムがどうしてビリーに目を付けたのかとか、
学校とプライベートの3人は各々どんな感じなのかとか、
気になる部分が描かれているので、ファンには嬉しいです。
ハウイーとコニーのイラストが、イメージぴったりだし。
スカイエマさんのイラスト、このシリーズにすごい合っていると思います。
3巻読破したら、ぜひこの前日譚も読んで、よりジャスパーの世界に浸ってください!