【ミステリ】IQ|壮絶な過去を持つ、とことんクールな黒人青年探偵アイゼイア、またの名を‟IQ”。彼のもとに有名ラッパーから、「巨大な犬を操る殺し屋を探せ」という奇妙な依頼が!得体のしれない敵から、依頼者を守ることが出来るのか?アクション満載の、ミステリ新人賞三冠受賞作!

作者名:ジョー・イデ   ハヤカワ・ミステリ文庫

ロサンゼルスに住む黒人青年アイゼイアは“IQ”と呼ばれる探偵だ。ある事情から大金が必要になった彼は腐れ縁の相棒の口利きで大物ラッパーから仕事を請け負うことに。だがそれは「謎の巨犬を使う殺し屋を探し出せ」という異様なものだった!奇妙な事件の謎を全力で追うIQ。そんな彼が探偵として生きる契機となった凄絶な過去とは―。新たなる“シャーロック・ホームズ”の誕生と活躍を描く、新人賞三冠受賞作!

冷静沈着、しかし内面は熱く!暗黒街のホームズが誕生する!

過去と現在が、スピーディーに展開するミステリです。

スポンサーリンク

アイゼイアが魅力的度:★★★★

几帳面で清潔好き、冷静沈着で口数少なく、恐ろしいほど頭が回る。

「IQ:アイキュー」なんて名前で呼ばれている、謎が多い男アイゼイア・クィンターベイ。

ギャングが住む町から、じわじわと彼の噂が広まる…。

非常に魅力的な探偵が来たな~と思いました!

シリーズ1作目となる本作は、彼の現在と過去が、交互に語られます。

探偵として活躍するアイゼイアは、観察眼が鋭く、素早く手掛かりをさぐり、

いちゃもんをつけられてもクールに必要なことだけ話す男。

たまにミスを犯すけれども、絶体絶命の危機も、機転を利かせて切り抜ける。

か、かっこいい…!

たまに見せる、とても人間らしい部分が、また良いのです。

過去のアイゼイアは、天才的な成績を収める優等生ですが、

衝撃的な事件のショックから抜け出せず、大きな変化を強いられることに。

現在の事件も、波乱の事態続きで、目が離せませんが、

過去の「IQ」になるまでの物語も、緊迫の事態に見舞われます。

スピード感のあるアクション満載の現在パートも、

彼のルーツを丁寧に語る過去のパートも面白く、

2つのパートが競うように盛り上がっていく構成が秀逸な、新人賞受賞も納得のミステリでした。

個性的な殺し屋度:★★★★★

まさに腐れ縁、といった関係の友人ドッドソンから依頼を持ち込まれ、

彼と一緒に、豪邸に住む大物ラッパーから話を聞くことになったアイゼイア。

ラッパーいわく、自宅にいる時に殺し屋に襲われ死にかけたので、何とか正体を暴いてほしいとのことでした。

しかし、なんとその殺し屋は、銃でも毒でもなく、巨大な犬を操る男だったというのです。

話を聞かされたアイゼイアと相棒は唖然。読者も唖然(笑)

とんでもない話に驚きながらも依頼を受け、殺し屋探しに乗り出したアイゼイアたちですが、

それが殺し屋との、スリリングな戦いの幕開けで…。

スランプにより不安定なラッパーや、身近にいる何だか信用できない人物たちなど、

殺し屋以外にも不安な要素が多く、事態は混迷し、

クライマックスは、息つく間もない最終決戦!という盛り上がりを見せます。

現実には到底ありそうにない設定で、ちょっと作り物めいた雰囲気が出るのでは?と思ったら、

殺し屋の過去や人となり、犬たちの交配方法、巨犬の鬼気迫るアクションといった描写が詳細でリアルで、

いつの間にか、物語にのめりこんでいました!

犬怖そうだけどパニック映画みたいで面白そう…と購入したんですけど、

犬に負けないくらい、殺し屋のキャラがすごい(汗)

アウトローの描写がすごい度:★★★

解説を読んで知ったんですけど、

アメリカ人でもよく知らない、ロサンゼルス南部の黒人とヒスパニック系ギャングの間の抗争に光を当てているそうです。

作者のジョー・イデさんは、日系アメリカ人でロサンゼルスのサウスセントラル地区の出身、黒人の友達が多かったとか。

アメリカで生まれ育ち、マイノリティ同士でも生じる人種差別や、

若いギャングたちの緊張した関係などを見てきたがゆえのリアリティなのか…。

アウトローの、詳細な描写がすごい。

治安の悪い町に住む様々なグループの若者はもちろん、

裕福であっても空虚に蝕まれる人物や、

生まれながらのアウトサイダーの恐るべき内面なども描かれていて、つい夢中になっちゃう作品です。

アクション満載で、登場人物も魅力的な、興奮するミステリ!

IQに魅力を感じた人は、ぜひぜひ続編「IQ2」も!

IQ (ハヤカワ・ミステリ文庫) [ ジョー・イデ ]
楽天ブックス
¥ 1,166(2021/09/02 04:59時点)
ランキングに参加しています。いいね!と思ったら↓クリックをお願いします!
にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ
タイトルとURLをコピーしました