【ファンタジー】どろぼうの神さま|美しい水の都ヴェネツィアを舞台に、訳ありの子どもたちが冒険を繰り広げる、傑作ファンタジー!大人が読んでも面白い、児童文学賞W受賞作!

作者名:コルネーリア・フンケ   WAVE出版

謎とき、冒険、友情、夢、家族との葛藤、不満、希望、魔法など 巧みなストーリーでわくわくするドイツからの冒険ファンタジー。 ドイツハンブルクからイタリアヴェニスにたどりついたみなしごの 兄弟は廃墟になった映画館にすむ同じような境遇の子どもたちとともに 「どろぼうの神さま」とともに何とか生き延びていた。ある日、兄弟のお母さんの妹が辣腕探偵に捜査を依頼、 楽しい子どもだけの暮らしに変化が訪れる。

兄弟を引き離しかわいい弟だけを引き取ろうとする 叔母さんさんたちから逃れられるのか、そして「どろぼうの神さま」と仲間たちが引き受けた 大仕事は成功するのか!

チューリヒ児童文学賞、ウィーン児童文学賞受賞作。

‟大人になるって、どういうことなのか”

永遠のテーマが、ワクワクするストーリーで描かれています。

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子どもの葛藤度:★★★★★

廃墟になった映画館で、泥棒の神様と呼ばれる少年・スキピオの庇護を受けるのは、

訳ありの子どもたち。

いじわるなおばさんから逃げてきた兄弟・プロスパーとボーはもちろん、

面倒見の良い、しっかり者の少女ヴェスぺも、

素行がよくない、痩せたリッチオも、

工具箱と釣り竿を大切にする黒人の少年、モスカも、

みんな家族に問題があるか、いないかで、帰る場所がありません。

子どもたちだけで、スキピオが盗んだ品物を売って暮らそうとしますが、

そんなこと、いつまでも続かないはず…。

大人目線で見るとそうなんだけど、当の本人たちは、必死にうまくやる気なんですよね…。

おのおのの事情を抱えた子どもたちが、今回の大事件で、ちょっと大人になります。

‟大人のなり方”は、みんなそれぞれで…?

大人の葛藤度:★★★★★

いじわるなエスターおばさんから、兄弟を探すよう依頼されるのは、探偵ヴィクトール。

最初は子どもたちの反撃にあい、憤慨して躍起になりますが、

徐々に心境の変化が。

彼が、大人側の主役というか、

‟自分が子供のころは、大人ってなんだったろう”という疑問を感じ、悩むはめになる人物。

もう一人、大事な役割をする女性イダは、とても魅力的。

強く優しい大人の女性ですが、子どもの目線でも考えてくれそうです。

こうなりたくない大人の代表みたいな強欲な人物と、

子ども時代に強い執着を示す2人組も出てきますが、

皆さん、あっと驚くことに!

驚きのファンタジー度:★★★★

事情があって、自分たちだけで生きていこうとする子どもたちの、戦いの物語であり、

友情と兄弟の絆を感じる、感動の物語であり、

がっつり、不思議なファンタジーでもあります。

舞台が美しい水の都ヴェネツィアだから、町の様子を読むだけでも楽しい~!

盗んでくるよう依頼された、奇妙な物。

それを必要とする、さらに奇妙な物。

それを求める、謎の人物。

犬に守られた、不気味な島…などなどそそられる要素がたくさん。

大人も子どもも大奮闘の、心躍る冒険があります!

美しいヴェネツィアを舞台に、大人も子どもも、あっちへこっちへ大騒動!

楽しくハラハラするけど、ちょっと切なくなるのは何ででしょう?

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