作者名:J・Dバーカー ハーパーBOOKS
シカゴを震撼させる連続殺人犯“四猿”。「見ざる、聞かざる、言わざる」
になぞらえ被害者の身体の部位を家族に送りつけてから殺す手口で、長年捜査を進める刑事ポーターも未だその尻尾を掴めずにいた。だが事態は急変する──四猿と思しき男が車に轢かれ死んだのだ。しかも防犯カメラにより、ただの事故ではなく自殺と判明。所持品には四猿の日記が。日記を読み始めたポーターは、新たな歪んだゲームに呑まれていく……。大御所作家がこぞって絶賛する、スリラー界の新星登場!
スピーディーでスリリング!
海外捜査ドラマが好きな人におすすめです。
過去と現在、どっちもスリリング度:★★★★★
街を恐怖に陥れた連続猟奇殺人鬼が、突然日記を残して自殺。
「四猿」は、悪事を働いた本人の、肉親を攫って殺害する異常者。
犯人が車に飛び込んで死ぬ前に、行方不明になった少女が…!
そして物語は、現在の捜査と日記に書かれた過去の、2つのパートで語られます。
現在の捜査は、犯人が死亡前にさらった少女の行方が分からなくて、ハラハラ。
犯人の過去の日記も、どんどん‟ええっ!?” という展開になって、ハラハラ。
ダブルできます。
私は日記の続きの方が、より気になってしまいました。
異常な連続殺人を行ってきた犯人の、幼少期の日記なので、
ただでは済まない内容だとは想像がつくのですが…
予想以上の展開に!
この親子は一体どうなるのかと…心臓に悪くて、止まらなくなりました。
過去と現在のシーンが切り替わるので、
だれることなく緊張したまま、読み進んでしまいます。
後半の裏切り、そう来るか度:★★★
犯人死んじゃったけど、まだ生きてる被害者が見つからない、どうしよう!
というのは、たまに見る設定ですが…
途中から定番では終わらせないとばかりに、進行していきます。
残り3分の1で、こう来たか~!
そこからは、更にスピードアップ。
緊迫のクライマックスを迎えたうえで、予想外のラストが!
犯人の過去をつづった日記の方も、とんでもない展開を見せます。
日記の恐るべき結末とつながる現在。
事件の全貌が明らかになっていく様は、圧巻!
最後まで驚きをつめます度:★★★
事件が事件なので、終始おどろおどろしいですが……。
このラスト、私は結構好きですね。
続編が出てほしいような、ここで終わってほしいような…そんな終わり方だと思いました。
(と思っていたら、続編出ました!買わなきゃ!)
とにかく最後まで、油断するべからず!
捜査員も、苦しみを抱えた男性や、ハッキリしているけれど思いやりもある女性など、
なかなか魅力的。
緊迫の海外捜査ドラマという雰囲気が強く、
CSIやクリミナルマインドが好きな人は、楽しめると思います。
表紙の三猿が、読むほど不気味に見えてくる…。
どんどん明らかになる意外な事実に、翻弄されてみては?