作者名:キャロル・オコンネル 創元推理文庫
クリスマスも近いある日、二人の少女が町から姿を消した。州副知事の娘と、その親友でホラーマニアの問題児だ。誘拐か? 刑事ルージュにとって、これは悪夢の再開だった。十五年前のこの季節に誘拐され殺されたもう一人の少女――双子の妹。だが、あのときの犯人はいまも刑務所の中だ。まさか……。そんなとき、顔に傷痕のある女が彼の前に現れて言う。「わたしはあなたの過去を知っている」。一方、何者かに監禁された少女たちは、奇妙な地下室に潜み、力を合わせて脱出のチャンスをうかがっていた……。一読するや衝撃と感動が走り、再読しては巧緻をきわめたプロットに唸る。超絶の問題作!
キャロル・オコンネルならではの、登場人物の内面描写。
人の心に迫るミステリが読みたい人に、おすすめです!
どの人物からも、目が離せない度:★★★
大作だけあって、登場人物が多いですが、おのおの何をどう考えているのか丁寧に描かれています。
物語が進むにつれて、意外な一面が分かるのも見どころの1つ。
こういった点は、作者の有名作「愛おしい骨」と共通しているかと。
私が特に好きになったのは、攫われた少女の片割れ・問題児サディー。
ホラーマニアならではの過去の珍プレー集、いたずらに対するプロ(?)根性と、ピンチでの度胸が素敵!
もう一人の少女グウェンも頑張るので、2人が助かりますようにと祈らずにはいられません…。
というか、捜査班も、被害者の家族も、地元の人も、
みんな頑張るんですよ!
悲惨な事件に対し、犯人への憤りと、深い悲しみを抱える人々。
みんなの願いはかなうのか…
読んでいるうちに、必死に頑張る登場人物たちが愛しくなって、
読者もハッピーエンドを祈らずにはいられません!
思わず感情移入度:★★★★
双子の妹を殺されたルージュ、顔に傷のある法心理学者アリ、
捜査官、そして被害者の母親たち。
お母さん、本当に奮闘するんですよ…。
彼らの人生も、思わず考えさせられてしまう作品です。
色んな人の事情と思惑が、こんがらがって…
うーん、こいつが元凶だったのか!と、
犯人が分かったときには、憤慨してしまいました。
みんなが苦しんでいるのが、読んでいて分かるので、もう犯人に腹が立つったら!
この驚きは、予想できない度:★★★★★
犯人は、ひょっとしたら‟こいつが怪しいと思ってたよ!”という人もいるでしょう。
でも、ラストのもう一つの驚きには、ほとんどの人は
‟ええっ!?そういう話!?”となったのでは?
私は読んだ後に、中盤に戻って、もう1回読んでしまいました。
いや~、これはよっぽど分からないと思います!
真相が分かってから再読すると、確かにその方が自然な流れか?とも思うんですけど、
まぁ、良かったら確かめてみてください。
本当に、この真相のインパクトはすごかった!
ラストで、忘れられない作品になりましたね~。
まさに大作!読み応えあり!
犯人の正体以上の驚き、予想外の感動が欲しい人は、ぜひ読んでみてください。