作者名:ダリオ・コッレンティ ハーパーBOOKS
北イタリアの村で発見された女性の変死体。
定年間近の新聞記者マルコは、インターンのイラリアからある情報を得る。
ふくらはぎを噛みちぎり、内臓を抜き、死体の傍に針を置く残忍な手口が、イタリア犯罪史に名を残す19世紀の連続殺人犯のそれと同じだというのだ。
二人は村に潜む狂気を追うも、カニバリズムを思わせる死体がまた一つ……。
歴史と文化に血の香りが混じりあう、重層的スリラー。
サスペンスフルで、重厚なミステリ!
英米以外のミステリを読みたい人に、おすすめです。
イタリアの料理が美味しそう度:★★★★
恐ろしい殺人事件がつぎつぎ起こり、捜査は難航します。
人々は不安になり、主人公の記者マルコも助手役のイラリアも、苦悩します。
それでも、食事の描写はしっかりと!
食事を大切にするイタリア人ですから、ワインとともにいただいています。
美味しそうなんですよね~。
ふむふむ、普段はこういうものを食べているのね、と楽しい。
悲惨な殺人の描写が、数ページ前にあったのに、
食事シーンを読むと「あ、美味しそう」とか思ってしまいました。
どんどんバディ度:★★★★★
最初は上手くいかない、ベテラン初老記者(頑固おじさん)とインターン女学生(訳あり変わり者)。
マルコは最近いろいろ上手くいっておらず、自分の人生について考え中。
イラリアは垢抜けないファッションで大人しく、職場のうけがいまいち。
マルコは猟奇的な事件に、最初から情熱的に臨みます。
しかし、一緒に仕事をしたがるイラリアのことは、うっとおしそう。
それが、相棒について知っていくほどに、面倒見の良いおじさんに!
イラリアの過去、マルコの家族との関係、2人の師弟愛(友情?)にも注目です。
意外なことから犯人が!度:★★★
途中、こいつが犯人では⁉という展開になるけれども、そこから意外な方向へ。
昔の事件の真相、イタリアの村の考え方。
精神医学と司法、DNA鑑定。
こういった要素が合わさったとき、なるほどそういう話だったのね!と、
驚きの真相が明らかになります。
陽気で穏やかなイメージのイタリアで、何とも恐ろし気な連続殺人が…。
気になって購入しましたが、重厚なミステリで満足です。
アメリカでもイギリスでも北欧でもなく、イタリアのミステリ!
気になる人は、ぜひ!