作者名:ハル・クレメント 創元SF文庫
『20億の針』から7年。ボブの体内には、すぐれた知性をもつゼリー状の異星人が共生し、体内の病原菌を殺したり怪我の出血をとめたりしていた。しかし最近になって、ボブの体調が悪化しはじめた。日に日に弱りゆくボブを救うには、7年前に島の近海へ墜落した異星人たちの宇宙船を探しだし、一千億の星の中からただひとつの、彼らの母星の科学者に連絡をとらなければならないのだ。
異星人との、連絡方法とは?
迫るタイムリミット…ボブと‟ハンター”、最大の危機!
一致団結度:★★★★★
前作「20憶の針」では、ボブにハンターが寄生していることは、シーバー医師しか知りませんでしたが、
今作では、ボブの両親がすでに知っており、
(前作がああなったから、説明しないとどうにもならなかったんだろうなぁ…。)
協力してくれる2人の女性も、ハンターの存在を知ることに。
共生関係が原因で、体の深刻な不調に悩まされ、ときに身動きがとれなくなるボブを、みんなで支えます。
前作は、バディもののSFミステリでしたが、
今回は、協力者たちが一致団結して、頑張ります!
心強いこと、この上ないです。
ボブとハンターって、たまにすごいドジだから…(汗)
そこが魅力的でもあるんですけどね!
本作では、すっかり人間種族に馴染んだハンターのお茶目な一面や、
若さゆえの可愛げを見せる、ボブの姿が見れるのが嬉しい。
女性陣の活躍度:★★★★
前作は、ほとんど女性がでませんでしたが、
今作では、機転が利いて気の強い、頼りになる女性が大活躍!
シーバー医師の娘・ジェニーと、泳ぎの天才・メイタ。
学歴が高いわけではないけれど、聡明というか、
とにかく頭が柔らかくて、回転が速い。
この2人と、ボブの関係がどうなるのかが気になる…!
個人的には、メイタが好きです。
ボブに妹ダフネが生まれており、現在は6歳。
お兄ちゃん大好きで、元気いっぱい、じっとしていない。
ボブと年が近かったら、前作が更なる大騒動になっていただろうなぁ…。
お転婆でかわいいこの子も、何気に役に立つ情報をくれます。
女性陣が活躍しすぎて、ボブとハンターが、しどろもどろになる事態も(笑)
ボブの母も、息子のために協力します。
頑張れ、女性陣!
ボブ、何かとピンチ度:★★★
おそらく、長年ハンターがいたせいで、体内のシステムがうまく働かなくなってしまったと思われるボブ。
周囲の人間には隠そうとしますが、実際はかなり綱渡り状態。
異星人の船の捜索途中も、体調不良に襲われます。
そのうえ今回、彼に危害を加えようとする不穏な影が…!
島には、とんだトラブルの元がいたのです。
ハラハラしますが、最後の章は微笑ましすぎて、くすくす笑いが止まりませんでした。
全体的に、ハンターが可愛かった(笑)
前作を楽しんだのならば、もうこちらも読むしかない…!
ハンターたちが、さらに好きになる続編です!