作者名:ウィル・マッキントッシュ 創元SF文庫
目覚めると、世界は虚空に浮かぶ小島になっていた! しかもみなが記憶を失い、こうなった理由はもちろん、自分自身が何者かさえもわからない。世界激変の秘密を求め、フォーラーは世界の縁から飛び出し、見渡すかぎりの青空を落下してゆく。この下のどこかにあるにちがいない、べつの島々をめざして……ヒューゴー賞作家が放つ傑作冒険SF!
わずかな手がかりを頼りに、虚空に浮かぶ島々を巡るフォーラー。だが新たな浮島に着地するごとに、世界の謎は深まってゆく。一方、ピーターの世界に蔓延する戦争と死病を解決するための技術は、途方もない事態を招く……。世界はなぜこれほどに変貌してしまったのか? フォーラーはすべての答えを求め、空中世界を下りてゆく!
なんて奇妙な世界なのか…!
過去と現在、どっちも展開がよめません。
斬新な設定度:★★★★★
世界が虚空に浮かぶ小島になっていて、人々はみんな記憶喪失。
主人公がパラシュートでほかの小島目指して落下して、
落ちた先で、さらに不思議な事実に突き当たる。
この設定が、とにかく斬新ですよね。
ワープしたり、未開の地を進む訳でもなく、落ちて冒険!
どの島も、みんな記憶喪失だから大混乱で、殺伐とした危険な雰囲気。
行く先々で、危険に見舞われます。
最初にいた島からして、すでに不穏な雰囲気でしたけどね。
食料に限りがあるし、記憶がないから自分も他人も信じられないし…。
「落下して冒険」も斬新だけど、「人類みな記憶喪失」もすごいなぁ。
謎が謎を呼ぶ度:★★★★
世界がバラバラの島になったのも謎ですが、謎はそれだけではありません。
落ちた先で、何人か前の島にいた顔見知りがいるのです。
しかし、まったくの別人のようで、顔は同じですがフォーラーを知らない様子。
ある人物なんかは、大量のそっくりさんが!
何があったら、そんなことに…。
フォーラーに襲い掛かってくる、謎の集団も出てきて、事態は迷走します。
アクションもヒートアップ!
どっちの世界も大変度:★★★
現在の主人公フォーラーと、過去の主人公ピーターのパートが、交互に語られます。
このピーターの生きる世界も、何だか不穏な雰囲気。
恐ろしい病に、クーデターの気配…。
すごいけれども、何だか嫌な予感のする研究…。
バラバラになった世界もとんでもないですけど、こっちの世界もとんでもないことに!
というか、まずピーターから、とんでもないことに!
ピーターの過去パートも終盤まで続くので、もう早く事実を教えてください!と、
読むのが止まらなくなりました。
風変わりな冒険ものと、緊迫したサスペンス。
両方読みたい人に、おすすめです!