作者名:R・A・ハインライン 創元SF文庫
カスとポルは15歳、科学の天才にして商売上手、ルナ・シティでは有名な〈悪たれ双子〉だ。今回の宇宙旅行でも、何やら大儲けを企んでいるようだ。父親のストーン氏は不安だった。双子だけではない。祖母も母親も姉も末の弟も、いずれ劣らぬ要注意人物なのだ。ただではすみそうにない……かくして、ストーン一家を乗せた〈ローリングストーン〉号は、波瀾含みの宇宙へ旅立った! ハインラインの傑作宇宙冒険SF。
ワクワクして元気になる、おかしな家族の大冒険!
「夏への扉」が有名だけれど、こちらも傑作です!
愉快な家族度:★★★★★
ストーンさん家のご家族は…
・天才だけど、トラブルメーカーで商魂たくましい双子、カスターとポルックス
・異性のことしか頭にない年頃の姉、ミード
・人の心が読めるらしい末っ子の弟、ローウェル
・自称95歳の元気すぎる母、ヘイゼル
・「はい、あなた」と言ってるだけでなんでも思い通りにしてしまう妻で医者の、イーディス
以上メンバーに振り回される父親、SFドラマのシナリオライター・ロジャーです。
うーん、強烈個性派ぞろい。
こんなメンバーで、何が起こるか分からない宇宙旅行なんて行ったら、
そりゃあトラブルになるでしょうね…。
「ローリングストーン号」とは、何と上手いネーミングをしたことか!
おばあちゃん最強度:★★★★
個性的な家族の中でも、ひときわ強烈なのが、ヘイゼルおばあちゃん。
口が悪く、じっとしていられないタチで、
「行きやがったぜぇ、相棒!」とか叫んじゃう元気っぷり(笑)
腕利きのエンジニアでもあり、さまざまな人生経験を積んでいる様子。
息子の書くドラマのシナリオにも、じゃんじゃん口出しするし、
自分の意見はつねにハッキリ主張します。
この人は、「月は無慈悲な夜の女王」という作品にも少し登場しているそうです。
月世界の、地球からの独立の戦いを描いたものだそうで…。
息子一家は、平和(?)に暮らせていてよかったですねぇ。
この人から、転がる石のごとき精神が、受け継がれたんだろうなと思います。
トラブルで成長度:★★★
双子の自転車輸出計画、他船の病気蔓延、火星生物の大量繁殖など、
つぎつぎトラブルに見舞われます。
経験を積むごとに、家族の絆が深まり、あの‟悪たれ双子”も成長…?
ずっとこのメンバーで、宇宙を旅してほしくなりました。
ちなみに、この繁殖しちゃう火星生物「フラットキャット」が、何とも可愛いんですよ~。
猫みたいに喉を鳴らす、人懐っこいモコモコの生物で、
手がかからず、抱っこすると癒される…
何その理想的なペット。飼いたい!
双子は「もこもこシッポ」(笑)と名付けて連れ帰りますが、繁殖力がハツカネズミなみ!
ここだけは困っちゃうな…。
双子の解決策やいかに?
こんな家族、欲しいかも!
まさにローリングストーン、波乱万丈ツアーを楽しんでみては?