【SF】トリフィド時代~食人植物の恐怖~|全人類が失明⁉絶体絶命の状況に陥った人類は、失明を免れたわずかな人間を中心に、行動を起こすが…。混乱極まる中、謎の動く植物「トリフィド」が襲い掛かる!崩壊した世界での、最悪のサバイバルを描く、破滅SFの傑作。

作者名:ジョン・ウィンダム   創元SF文庫

その夜、地球が緑色の大流星群のなかを通過し、だれもが世紀の景観を見上げた。ところが翌朝、流星を見た者は全員が視力を失ってしまう。世界を狂乱と混沌が襲い、いまや流星を見られなかったわずかな人々だけが文明の担い手だった。だが折も折、植物油採取のために栽培されていたトリフィドという三本足の動く植物が野放しとなり、人間を襲いはじめた!人類の生き延びる道は?

見えないのに、襲われる恐怖!

そして、恐ろしいのは、襲い掛かる植物だけではない…。

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最悪の状況度:★★★★★

夜空を横切る、緑色の美しい流星群。

この世紀の天体ショーに、人々は喜び、みんな夜空を見上げて、楽しみました。

そして、次の日、何が起きたかというと…流星群を見た人が、全員失明!

たまたま流星群を見なかった、少数の人々だけが失明を免れて、一気に文明社会は崩壊、

生き残るためのサバイバルが始まります。

主人公は、植物油の採取用に栽培されていたトリフィドの研究者・ウィリアム(ビル)。

彼はたまたま目に怪我をして入院していたため、

流星群を見ず、失明を免れたのでした。

街の探索の途中で出会った女性・ジョゼラも幸運なことに目が見えていて、

彼女とともに、危機を切り抜けようとするのですが…。

一部の失明を免れた人々に対し、圧倒的に失明した人の方が多かったので、

冷静に組織立って対応しようとしても、なかなかうまくいきません。

人々は、おのおののグループに分かれて行動するようになるのですが、

ビルとジョゼラはトラブルに巻き込まれ、長い道のりを移動し、

各地の惨状を目撃する羽目に!

人間の新たなる最大の敵となったのが、管理栽培されていた存在であるトリフィド。

意思があるのかないのかよく分からないところが、たまらなく不気味です…。

人間が失明すると、徐々に活動エリアを広げて、

毒ありの鞭のような器官で、人間を殺傷!こわっ!

あげくに、謎の病気が発生します。

前も後ろもふさがれたかのような、最悪の状況…。

人類の危機的状況と、トリフィドの恐怖が迫る、緊迫のSF小説です。

文明崩壊後の、本当の危機度:★★★★

一部の人は、失明を免れたので、当然その人たちがリーダーシップを発揮します。

しかし、あまりの危機に、冷静で連携の取れた対応などとれるはずもなく…。

さまざまなパターンの、過激な行動に走る人が出ます。

ああ、トリフィドが迫っているのに!

ビルとジョゼラの道を阻むものは、たくさんあるのです…。

前に、主人公が意識不明から回復したら、

世界がゾンビだらけになっていた「28日後…」という映画を見て、

何だかあの作品のシュチュエーションに似ていると思ったら、

トリフィド時代に影響を受けた作品だったらしいです。

ちなみに、この映画もおすすめ。

秩序が崩壊した世界で、暴走する人間たち…

人を襲う植物とどっちが怖いか、ぜひ確かめてみてください。

驚愕の真相度:★★★

なぜ、人類が失明する羽目になったのか。

あの流星群は何だったのか。

蔓延する謎の病の原因とは?

これらの真相は、ぞっとするものでした。

1951年に発表されていますが、現代人が読んでも新鮮でゾ~っとする、

追い詰められた人類を鋭く描いた作品です。

正統派SF好きはもちろん、SFパニック映画やディストピアものなど、

とにかくハラハラして、登場人物がいかに危機を切り抜けるか、

という物語が好きな人は楽しめるかと。

ビルと仲間たちの、やすらぎの場所は見つかるのか…

最後まで落ち着かない…そして止まらない!

今まで築いたものが、すべて崩壊する絶望的状況。

あがく人類の、生き残るためのサバイバルに、ハラハラしっぱなしです!

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