作者名:ジェイムズ・P・ホーガン 創元SF文庫
月面調査員が、真紅の宇宙服をまとった死体を発見した。綿密な調査の結果、この死体はなんと死後5万年を経過していることが判明する。果たして現生人類とのつながりは、いかなるものなのか? いっぽう木星の衛星ガニメデでは、地球のものではない宇宙船の残骸が発見された……。ハードSFの巨星が一世を風靡したデビュー作。
人類が協力して、宇宙の謎を解く。
学者たちの、熱いドラマがあります!
壮大なスケール度:★★★★★
始まりは、月面で死後5万年(⁉)が経過した死体が発見されたこと。
チャーリーと名付けられた死体は、地球人類と非常に似ていました。
チャーリーが所持していた小型精密機器や、手帳を手掛かりに謎を解き明かすため、
世界の生物学者や言語学者などが集結!
木星で見つかった宇宙船からも、驚くべきものが見つかります。
主人公の天才原子物理学者ヴィクターは、彼らのまとめ役として活躍。
時に惑星間も移動し、真実を探求します。
人類史上にない、壮大な謎解きが始まるのです。
そして解き明かされる真実も、何と大きなスケールか…!
人類の英知を集めて、データを解読し、真実を明らかにしようとする…
その様子は圧巻で、読者も熱くなってきます。
緻密な謎解き度:★★★★
とにかく、チャーリーと宇宙船に関しては、分からないことだらけ。
学者たちは、あーでもないこーでもないと、
ときに激しく議論を戦わせながら、研究にのめりこみます。
研究者って、解きたい謎を前にすると、どこまでも熱くなるんですかね…。
意見の衝突で仲たがいしても、歩み寄ろうとするシーンもあって、ぐっときました!
それにしても、全く違う言語・違うテクノロジーについて研究するって、
本当に気の遠くなる作業。
研究者の仕事って、好きでやるにしても大変だなぁ…。
最後の感動度:★★★
途中これでは?という答えが提示されてくるのですが、
なかなかすべて納得がいくような説明ができません。
説明ちゃんとつくのかな…と思っていたら、
最後の最後になるほど!となる答えが。
読み終わったあとに、壮大なスケールだったなぁと、じーんとしてしまいました。
終わり方も、なかなかにくいです。
本作だけでも、余韻が素晴らしいですが、
「ガニメデの優しい巨人」・「巨人たちの星」・「内なる宇宙」がシリーズ作品で出ているそうです。
ハードSFにチャレンジしたい人、壮大なスケールの物語を読みたい人におすすめです!